プロフィール

舟山 太郎 (ふなやま たろう)

 写真右

東京音楽大学卒業。モスクワ音楽院研究科修了。
留学中、プレミオ・マニフィカト・ルピアエ国際音楽コンクール
ピアノ部門第1位及び全部門総合第1位(日本人初)、同期の
村田智佳子とペアを組み、Music&Earth国際音楽コンクール
デュオ部門第1位などヨーロッパの国際コンクールで6度優勝。
コンクールの受賞により在NYブルガリア総領事館の招きで
ニューヨークにてデビュー。ヨーロッパ各国・ロシア・カナダ他でも
音楽祭や各種演奏会に出演し、邦人作品を多く紹介する。
ソフィアフィルとの共演に対し表彰状授与。
指導に対して、Music&Earth国際音楽コンクール(ブルガリア)にて
「高い教育の成果に対する特別賞」、リスト記念国際コンクール(香港)にて
「国際優秀ピアノ教師賞」、国際ピアノコンクール"Virtuosi"(チェコ)にて
「名誉賞(非常に成功した生徒の教師へ)」ほか受賞。
現在は演奏活動に加え、指導・コンクール審査に当たっている。


コンサートとコンクールのため、ロシアとブルガリアへ行って参りました。
レポートが全日本ピアノ指導者協会(ピティナ)のウェブサイトに掲載されました。
コチラ

ロシアに興味を持ったきっかけ

十数年前、若い人を対象とした大きな国際コンクールが
私の住む街で開かれ、連日聴く機会に恵まれました。
審査員が「こんなにレヴェルの高いコンクールは初めて」
と言うほどのコンクールが身近な所で開かれた事を、今も
幸運に思います。

日本からも国内コンクール(全日本学生音楽コンクールや
ピティナ)で上位入賞している方達が沢山参加していました。
それらのコンクールが難しいことを知っていましたから
彼女達に期待していましたが、結果は多くが一次予選で落選、
それに対しロシア人は殆どが通過したのでした。

日本人達の演奏は、表情もあり、音にも気を配った演奏でした。
数十年前に外国人が日本人を評したような「正確に指が動くだけの
機械みたいな演奏」だったわけではありません。
しかし参加者も審査員も多国籍な国際コンクールの場で
その演奏は評価されず、ロシア人達のよく響く音を元にした
自然な表現が評価されました。その違いは客席で聴いている
私や他の聴衆にもよく分かりました。
私の中で、それまでは当たり前だった良い演奏の価値観が、
色々な国の参加者の演奏を聴き、大きく変わったのでした。

※日本人に素晴らしい演奏の参加者もいましたし、ロシア人に
  良くない演奏の参加者もいました。上記は全般についてです。

本選に進んだ6人の国籍は4人がロシア・旧ソ連、日本と中国が
1人ずつ。日本人参加者はロシア人にも師事、中国人参加者は
レニングラード音楽院へ留学していた中国人に師事、ということで
実質全員がロシアンメソッドです。ロシアは音楽教育が盛んで
ピアニストを沢山輩出している事は本で読んで知っていましたが、
実際に聴いてその高いレヴェルを体感しました。

それ以来ロシアに興味を持ち、将来留学するならロシア…と
思うようになりました。図書館でロシアに関する本を借りたり、
地理のレポートでロシアについて書いたり、ロシア人ピアニストの
コンサートに行ったり…それから何年も経ちモスクワ音楽院へ留学。
入試の日は周りを見る余裕もありませんでしたが、翌日に音楽院前の
チャイコフスキー像(左上写真)で待ち合わせをした時、何度も写真で
見た場所に今いる事を実感し、感慨深くなりました。

 開演前の音楽院大ホール

inserted by FC2 system